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tueks x...

ENG/JPN

第六回  tueks x 超真空管

(アキバオーディオパーツセンター店長)

仕事という切り口で人物像に迫るtueks x...

この連載では、tueksが過去に仕事を依頼をした人物にインタビューを行いその素顔に迫る。


第五回のお相手は超真空管さん。会社を辞めて大学生になった彼は、人生の転換期にあるようです。アキバオーディオパーツセンターというお店、そして超真空管という人物のパーソナリティに迫る。

2026.10.17

「なんだこれは、宇宙が見えるぞ」

-----アキバオーディオパーツセンター店長、超真空管さん。今日はよろしくお願いします!

アキバオーディオパーツセンターの、超真空管と呼ばれている人です。よろしくお願いします。


-----あなたはどんな人ですか?

普通の生き方はしてないと思いますね。

私は工業高校を卒業してから、ずっとモノが作りたかったのでものづくり系の会社に入りました。物を作ったんだけど、やっぱり自分の作りたかった物を作れないことがジレンマで。ずっと。

仕事終わってから自分の作りたいものを作るパワーが残ってないっていうのが不満で、それを解消したくて。

そこでいろんな方法を考えて、大学に行けば時間も増えるし、色々吸収して新しいものを作れるんじゃないかと思って、大学に進学しました。


-----工作はいつから始めたのですか?

工作はねぇ、元々親が色々作ってたのもあるし、幼少期はレゴブロックにハマってて。何かしらを手でいじって、何かを生み出す喜びみたいなのを昔から。粘土をコネコネするとか、ブロックをコネコネするとか、何かを生み出したかった。

あるじゃないですか。最初は紙で何かを作って、そのうちにセロテープを使いはじめて、その次にガムテープが出来て、そしてようやくボンドを覚えて。ダンボール工作を極めていって。

その次に木材いって、ネジっていうのを知って、木を切るための糸鋸みたいなのを買ってもらったりして。そしたら金属にも手を出したくなって...

ちょうどここにあるのが初めて金属を削ったボール盤です。


人生初の金属加工を行ったボール盤。新しいお店の一角に鎮座している。


-----初めての金属加工、一体何を?

ゴム鉄砲の部品を加工するのに使いましたね。トリガーとか、連射できる機構を作るのに使いました。ライフルの形してるやつとか。

昔流行ってたじゃないですか、ニコニコ動画とか。その影響で威力のあるやつ作ったりとか、パチンコ(かっこよくいうとスリングショット)を作るにはゴムの力が強すぎて木材だと折れちゃうから必然的に金属を使うようになって。

とにかく、男の子なので武器が作りたい!という欲求がすごくありましたね。


----そこからどうして電子工作を始めたのですか。

親が教育熱心だったのかもしれないですけど、元々通ってたレゴブロック教室がなくなっちゃって、その続きみたいな感じで電子工作教室に通うことになって。

その教室が結構ヤバくて、キットとか一切使えずにユニバーサル基板の半田付けをやらされ続ける。行ったら基板を一枚渡されて、全部はんだ付けさせられるとかいう。時間もったいないんじゃないかなって思いながらもやってたんだけど。

スパルタだったねあれは!キットの存在を知らなかった。イカれた教育のせいで。

そこでLEDチカチカするやつとか、あとはマイコンもやったんだよね、AVRマイコン。小学生高学年くらいだったから、プログラムの内容は全く理解しないまま言われるがままとにかくやってた。何が起きているかはいまだにわかんない。


開店準備中のアキバオーディオパーツセンター店内の様子。


-----空中配線で真空管アンプを作りはじめたエピソードを教えてください。

酒飲みながら空中配線する動画が昔流行ってて。なんだこのおっさん、めちゃくちゃかっこいいのよ。俺もやりてえって。その時にちょうど真空管にもハマり始めて。

Youtubeの影響でハードオフに行くのにもハマってて。そこに、よくわからんモノがいっぱい転がってて

「なんだこれは、宇宙が見えるぞ」

と思って。感じちゃったんだよ。うまく言葉では表現できない何かを。

お母さんと一緒に来てたから、その青箱の中身全部買ってもらって。家に帰って調べたら整流ができる二極管っていう真空管だったんだよ。6AL5っていう。

これがね、二極管ていうのが二つ入ってるんですよ。ダイオードになる。当時ダイオードはちょっとだけ知ってたから、調べたら中身は真空になってて、電極間が絶縁されているらしいっていう意味わかんないことを知って。なんで電極と電極が繋がってないのに電気が流れるんだろう、不思議やなって繋いでみたら、なんか電気が流れたんだよね。ヤバくてこれ。本当になんで動くんお前?みたいな。


人生で初めて使った真空管「6AL5」。お店の部品棚より。


オーディオについては、たまたまその時に買ってもらった真空管をとりあえず使いたくて、使える用途がオーディオかラジオくらいしかない、「4GS7」っていう。これもそこにあるやつで、初めてオーディオに使った球ですね。これ結構キモくて、三極管ってやつと五極管って奴が2つ入ってるんだけど、カソードっていうトランジスタで言うとベースが合体しちゃってるんだよ。なぜかこれを頑張ってアンプにしている変態みたいな人がいて。その人の記事を丸々パクって作らせてもらった。

変な球を使うために自分が合わせに行った。使ってあげたい、すごい可愛いから。大きさがいいんすよこの。いいんすよコレが。愛があるんよ。


「4GS7」を愛おしそうに見つめる超真空管さん。


-----これまでのアキバとの接点について教えてください。

6V6GTっていうオーディオ用の球を使って、張り切って作ったアンプがあって。それ用のトランスを買いに行った話が。

アキバに行って、欲しかった±250Vが出る電源トランスが高くて2万円近くする。当時工業高校生で、ここに来るだけでも仙台から1万くらいかかるし、しんどい。高架下にある部品屋で「これください!」って言うにも高くて買えねえ...と。ずっと眺めてたらお店の人から欲しいのか?って。

これ買いたいんですけど、買ったら帰れなくなるって話をしたらめっちゃ安くしてくれて。赤字覚悟くらいで。それでようやく作れた。アキバは当時年1回くらいしか来れなかった、夢の街。


後半では、アキバでお店をやる超真空管さんに思いの丈をぶつけていただきました。



秋葉原ってめっちゃ入りずらい店が多い。殺意を向けられているんじゃないかって、思う。


-----あらためて、アキバの人になるってどういう気持ちですか?

なんか、割と地続き感がすごい。こっちに来たきっかけもアキバに通うために就職したっていうのもあるから、必然なのかな。なるようになった。最初はちょっとびっくりしたけど、自然と受け入れられた。


------どうして店長をやることに。

元々お隣のサンエイ電機さんがすごい好きで。就職してから毎週のようにアキバに通い、ここの真空管を眺めて帰るっていうのをやってて。オタクの皆さんとも仲良くさせてもらって。

その中で、某Semi-Finalのcherryflowerさんから「なんか一緒にやらんか」って誘ってもらって。じゃあ真空管アンプやるしかねえなって。で、頑張って作ったんよ、作品を。

それを何年かやってたら納得いくモノができて、ちょっと自慢してえなと。サンエイさんにいつもお世話になってるから「こういうの作りました!」って持ってったらすごい気に入られたというか。委託販売という形で製品をお店に置かせていただけることに。もう6年になるかな。

そこから色々仕事をもらえるようになって、サンエイさんがやってるBarで真空管アンプを使いたいとか、オーディオレシーバーを作ってほしいとか。そういう機会をちょっとずつ、ちょっとずつね。コネコネしていったと。 

そして門田無線さんが店を閉めるって時にお声がけいただいて、店長やることに。


-----この店のコンセプトは?

なるべく楽しい場所にしたい。明るくね。

昔から思ってたのが、秋葉原ってめっちゃ入りずらい店が多い。特にね、真空管屋さんとかは今でも入りづらい店が多い。殺意を向けられているんじゃないかって、思う。真空管という文化が衰退していくんじゃないかって。秋葉原全体を見ても電子工作は縮小していって、その中でさらに厳ついお爺さんが店やってたら、電子工作誰もやらなくなっちゃうよなぁって。

だから内装も明るい色にした。


アキバオーディオパーツセンターの看板。店長お手製だという。


-----お店の名前は自分で決めたのでしょうか。

これもストーリーがあるんすよ。私が工業高校の時にずっと通ってたのが仙台のオーディオパーツセンターっていう。そこがめっちゃくちゃ渋くて。ちゃんと真空管売ってる日本でも数少ない店の一つがたまたま仙台にあった。そこが店畳んじゃったのがすごい悲しかった。

その店の名前を勝手に借りてというか、勝手に襲名させてもらって「アキバオーディオパーツセンター」にした。


-----お店の見所を教えてください。

ここはね、工作を見れる場所にしたい。工作をやっている変な店主さんがいる店。これが1つ目。例えば、ここにある3Dプリンタが動いてるんすよ。子供の気持ちを考えると、これが動いてるのおもろいと思うんですよね。普通、どうやって作るかわかんないよ。見る機会がないので。

店内に設置された3Dプリンタ。まさにお店で使う値札立てを製造中だ。


2つ目の見どころが、見せ方こだわれる委託販売。

自分が委託者側だったので、委託者の気持ちがよくわかる。ここは委託者目線のスペースにしている。自分の棚もある。

自分はね、使ってなんぼだと思ってる。使えるように、気軽に触っていいように。

ジャンク袋とか、自分がワクワクした思い出があって、好きだった時代があるので置いていますね。自分で作った空中配線の真空管ラジオがあるんですけど、部品を取ってしまって壊されてしまってて。裏面がやばい、気が狂ってる。何十箇所も手加工でネジ何個使ったか分からん。金鋸で金属を手で切断してて、マジックアイもついてる。ハンドルも自分で曲げて作ったりとか。売っちゃうのは心苦しいけど、お店のために。次の人に受け取ってもらえたら嬉しいかな。

見どころその2、委託販売物エリア。

使ってなんぼの精神で、少年心くすぐる「触れる展示」が目白押しだ。空中配線のジャンク品は見逃せない迫力がある。


-----話は変わって。Surrenderの板金設計、やってみてどうでした?

最初すごい不安。正直自信あんまりなかった。でもやりてえなと思って。とりあえずやってみようと思ったら、進捗投げた瞬間にフィードバックが返ってくるっていうイカれた開発環境で24時間ぶっ続けて開発を続けたらなんかできちゃった...

あれは面白かったね、できるんだなぁって。ヤバかったねあれ。


Surrender1200

高城剛発案のMIDIコントローラー。構造設計を超真空管が担当した。


-----TUBE-GO!!も作ってもらったよね。

そうそう。元々XM-10もこうした方がいいんじゃないかとか改良があってVer.4まで行ってた。それのさらに進化した版みたいな感じで。色も可愛いし、イイんじゃないって。たまたま今さっきサンエイさんで売ってた緑色のが売れたみたいで。めっちゃカワイイ。


Tube-Go!!

ポータブル真空管アンプ。XM-10をベースにtueksがリデザイン、超真空管が設計・製造を行った。お店で実物が見れるので、是非聴いてほしい。


-----POP UPストアにtueksを呼んでいただきました。どうして呼んでくれたのですか?

tueksとSemi-Finalのみんなでデザフェスに出展した時、照明の仕方とか、背景にすごくこだわってるじゃないですか。それ自体が商品というか、買うこと自体が体験としてプロダクトされているんじゃないかと思ってたんだよ。こういうあみあみのところに置くモノではないよなって思って。それで棚を。あの体験がなかったら思いつかなかった。


POP UP STORE

一ヶ月間限定でお店の棚を貸切り、「tueks製品を全部試せる空間」をコンセプトにポップアップストアを開催する。棚をWEBサイトに見立て、気になったものはたくさん触って遊んで欲しい。


-----超真空管として、これからやってみたいことはありますか?

巨大ロボットをね、作りたいですよね。死ぬまでには人型決戦兵器をいっぱい作るっていうのが一つの夢かな。人が乗れる、人型の、マシーンを!それをやるまでは死ねない。


-----お知らせ事項、告知したいことはありますか?

2026/10/19にアキバオーディオパーツセンターがプレオープンします。みなさん是非来てください!


-----最後に読者の方に一言!

工作しましょう。工作。絶対にやった方がいい。後悔する。


-----2026年10月。東京ラジオデパート3階、アキバオーディオパーツセンターにて。

文/写真 tueks


tueks
Electrical engineer and Product designer Contact: tueks333@gmail.com
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